特別選考で10人程度 大学から推薦制度も
身体に障がいがある人を教員として積極的に採用しようと、神奈川県教育委員会は今年度の県内公立学校教員採用試験から、身体障がい者を特別に選考する新たな制度を導入した。県教委によると、身体障がい者に教職への門戸を広げる全国初の取り組みとして、関係者の注目を集めている。
一般選考とは別の特別募集枠として、今回導入したのは①身体障がい者を選考とする特別選考制度②教職課程を持つ全国の大学を対象にした身体障がい者大学を対象にした身体障がい者大学推薦制度ーの二つ。
10人程度の枠を設けた特別選考制度は、横浜、川崎の両市を除く県教委は所管するすべての小・中学校、高校、特別支援学校、養護教論と、すべての教科を対象に募集。試験内容は一般選考と同じだが、点字、拡大文字、手話通訳者の準備など必要に応じて配慮し、障がいの種類や程度などによって実技試験の一部を免除する。
特別選考とは別枠で募集する大学推薦制度は、教職課程を設けた全国約600大学に学生の推薦を呼び掛け、人材の確保をめざすもの。一次試験については筆記試験を免除して論文などの書類選考とし、特別選考と同様に実技試験を一部免除する。
特別選考は、一般選考の受験資格に加え、身体障がい者手帳(1~6級)の交付を受け、自力で通勤できることなどが要件。受験の申込みは今月25日までで、一次試験は7月12日に行われる。
県教委所管の公立学校で教員や事務職員として勤務する身体障がい者は計168人(昨年6月1日現在)。県教委としての障がい者雇用率は、法定雇用率(2%)を下回っているのが現状だ。しかし、近年の教員採用試験では、身体障がい者の受験者数は10人前後と伸び悩み、合格者も数人にとどまっている。
こうした実情を踏まえ、県議会公明党の此村善人議員は昨年7月の文教常任委員会で、教員採用試験において身体障がい者に対する特別募集枠を設ける採用するよう主張。同時に、法定雇用率の達成に向けて具体策を検討する新たな組織の立ち上げを提案した。
これを受けて同年10月、「障害者雇用推進会議」が設置され、この中で教員採用試験の選考方法の見直しや雇用の拡大に向けた取り組みなどについて検討されてきた。
同会議の座長を務める県教委の中島栄一副教育局長は、「新制度の導入に伴い、全国で教員をめざす障がい者が一人でも多く増えることを期待したい」と話している。

